TOKI ART SPACE
トキ・アートスペース

 
講演 ウィリアム・モリスとその時代〜反グローバリズム・霊性革命・中世主義・社会主義

アライ=ヒロユキ 美術・文化社会批評

2025年12月28日(日)16〜17時30分(質疑応答延長あり)
参加費:1,000円



  Artist's Comment

ウィリアム・モリスと19世紀後半の表現者・宗教者・思想家がなにを考え、抗い、表現したか。これを伝えるとともに、その現代的意義を、関連する古今の美術作品を豊富に紹介しつつお話します。
自然と文化の環境破壊、命と人権と富を収奪する帝国主義、生活を荒廃させる資本主義。こうした亀裂が人々に見え始めたのが19世紀後半です。
ウィリアム・モリスはさまざまな問題系が交錯する結節点です。ロマン主義に連なる美術表現、伝統文化の保護と再生、新しい生活文化のデザイン、反帝国主義と社会主義の思想、ユートピア思想の文学、キリスト教と異教の融和。。この講演ではそうした多面的な活動に触れるとともに、モリスと周辺であまり語られない宗教文化に力点を置きます。
アーツ・アンド・クラフツ運動の教会建築と内装。モリスやラスキンを魅惑した英国ロマネスクの教会美術。19世紀後半のオックスフォード運動などの信仰の刷新運動。ラファエル前派に代表される中世主義。社会主義とキリスト教、異教を結ぶ民話の想像力。モリスらを魅惑した中世美術と実践した新しい宗教美術を、英国取材旅行の豊富な写真をもとに紹介します。
補助線として、イェーツを中心としたアイルランドのアーツ・アンド・クラフツ運動、女性参政権運動サフラジェットに関わった女性表現者、「ケルト霊性」文化運動のケルト・リヴァイヴァル、さらに20世紀前半の左翼芸術祭・原グラストンベリー・フェスティバルも併せて掘り下げます。
翻って、いまの世界のアート市場は、資本主義の失速と社会的不公正の露呈で転換期にあります。その現状俯瞰をしつつ、そのアンチテーゼである、モリスらの志を継ぐ文化運動、さらには環境アクティヴィズムにも触れたいと思います。




ウィリアム・モリス・ギャラリーの展示風景(手前の頭像はモリス)。


聖ジョン・ザ・バプテスト教会の壁画《最後の審判》。イギリス最古級の教会壁画。



アライ=ヒロユキ プロフィール

1965年生まれ。美術・文化社会批評。美術評論家連盟/国際美術評論家連盟会員。美術、社会思想、サブカルチャーなどをフィールドに、雑誌、新聞、ポータルサイト、図録など執筆。
著作に『検閲という空気 自由を奪うNG社会』(2018年、社会評論社)、『天皇アート論—その美、“天”に通ず』(2014年、社会評論社)、『オタ文化からサブカルへ ナラティヴへ誘うキャラクター』(2015年、繊研新聞社)、『ニューイングランド紀行 アメリカ東部・共生の道』(2013年、繊研新聞社)、『宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン』(2010年、社会評論社)。共著に『あいちトリエンナーレ「展示中止」事件』(岡本有佳共著、2019年、岩波書店)、『メディアの本分』(2017年、彩流社)、『エヴァンゲリオン深層解読ノート』(1997年、大和書房)、ほか。

◆キュレーションほか
表現の不自由展(MOCA Taipei、2020年)、あいちトリエンナーレ2019(「表現の不自由展・その後」)、表現の不自由展(2015年)、金復鎮賞受賞(2019年、韓国)、PARC自由学校・連続講座「『表現の不自由展中止事件』の本質とは何か」共同担当 ※実行委員を2014-15年、2019-21年(共同代表含む)に務める
千葉ウエストビレッジ文化祭2009/2010(主宰)



 

トキ・アートスペース
A.M.12:00-P.M.19:00 (SUNDAY -P.M.17:00) 月曜休廊
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
TEL/FAX 03-3479-0332
> map & Download