TOKI ART SPACE
トキ・アートスペース

戸山 恢 展
KOYAMA Kai
 
小さな抵抗
Small act of Resistance
 
2025年12月2日(火) - 12月14日(日)
12:00-19:00(日曜日 17:00まで)
※月曜日休廊
Monday close / 17:00 close on Sunday

  Artist's Comment


 たった一本の線が、表現になることだってある。けれども私の作品の場合は、そこまでの「引き算」には向かわないだろうという予感があって、むしろ「やりすぎ」というくらいたくさんの線を引くからこそ、見えてくるものがあるようだ。
 フリーハンドという、人間の体から生まれる自由な線を引くのをやめて、かわりに定規を使って反・表現的な制作を始めた頃から、むしろ私の作品を気にかけてくれる人が増えてきたのは不思議なことだ。私はこの定規の線を面白がりつつも、一方で、これは抑圧された「貧しさの表現」でもあるとも思う。

 知識や経験を頼りにしながらも、物質的には何もないところからイメージを立ち上げるような仕事が好きだ。紙などのできるだけ軽い素材に線を刻印していき、いつか私がいなくなった時に、残すことも、なくすこともなるべく簡単にできるようにしたい。だから埋めれば土に分解されやすい材料を使っている。

 今回の展示の構成について話すと、今までのように美意識をもとにした「ディスプレイ」ではなく、作品をただ制作した順に展示してみることにする。めちゃくちゃにたくさんの線によって充満した空間を作り出すのもいいし、この線を「くり返しの行為」と説明してもいいが、この一枚一枚の紙にはそれぞれに何か画像が存在しているのも事実である。それなら、画像をよく見てみる必要も生まれる。画像には一見意味もないし、じっさい、秘められたイメージもないのだが、時系列で並べることで、その流れが立ち現れるかもしれない。あえて展示空間の形状を無視して制作順に並べると、大きな壁に小さすぎる作品が配列されたり、その逆のおかしな状況も起きてしまうかもしれない。それもまた新しい要素になるだろう。展示は最新作を終点に、古い作品へと遡っていく。それを逆の順序で見ても問題はない。

 それぞれの作品には、制作を開始した日と、終了した日の2つの日付を押してある。空白の期間もあるが、そこは何も作っていなかったか、その作品がすでに手元にないかのどちらかである。

 これが、私がくり返しお見せしてきた「小さな抵抗」という展示の最新の形で、これからはドラスチックな変化ではなく、少しづつ、かすかに変化する形で展開していくと思う。

 どうぞご高覧ください。

インスタグラム:
https://www.instagram.com/koyama_kai/















 

トキ・アートスペース
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